オメガの時計を「雇用」する理由
ジョブ理論によれば、「ジョブ」には以下の3つの観点があるそうです。
- 機能的側面 ・・・ なしとげたい機能はなにか
- 感情的側面 ・・・ 感じたい感情はなにか
- 社会的側面 ・・・ どういった状況にあるのか
ここで、ひとつ具体的に身近なモノを選んで、それを「雇用」した理由を上記の3つの側面で考える、というアクティビティをやってみました(結構面白いので皆さんもおすすめです)。
自分がここで選んだのは、オメガの時計。
自分がオメガの時計を「雇用」した理由を分析してみると、
- 機能的側面 ・・・ 時間が分かる
- 感情的側面 ・・・ 歯車に興奮する
- 社会的側面 ・・・ 宇宙好きのひそかなアピール
ということが言えるかと思います。
念のため補足しておくと、「歯車に興奮する」というのは文字通りの意味で、自分が持っているオメガの時計の裏側はシースルーになっており、歯車が見えるようになっています(写真の通り)。
その機械仕掛けの歯車を見ているとゾクゾクしてくる、というもので、世の中にはこういった「歯車萌え」な人が一定数存在するらしく、私もその一人です。
「宇宙好き」は、いわゆるバズ・オルドリンが月面に持って行った時計がオメガだったという「ムーン・ウォッチ」の逸話からです。
「週刊太陽系をつくる」を「雇用」する理由
一方、デアゴスティーニから出版された「週刊 太陽系をつくる」。
自分はこれを「雇用」して毎号届くパーツをせっせと組み立てて歯車仕立てな太陽系のアンティーク模型を完成させたことがあるのですが、奇跡的に動作確認時のGIFが出てきた(もう○十年ぐらい前)ので、掲載しておきます。
自分がこの「週刊太陽系をつくる」を「雇用」した理由を分析してみると、
- 機能的側面 ・・・ とくになし
- 感情的側面 ・・・ 歯車に興奮する
- 社会的側面 ・・・ 宇宙好きのひそかなアピール
ということで、面白いものでほぼオメガの時計とほぼ同じような理由が浮かび上がってきたんですね。
全く違う商品でも共通するジョブがある
この事例から得られる気づきは、全く違う商品(この場合だと、オメガの時計とデアゴスティーニの模型)でも、共通するジョブ(この場合だと、歯車と宇宙)がある、ということです。
これの意味するところは、一見すると全く違う商品やサービスに見えても、実は「雇用」する人としては比較の対象となり、競合になりうる、ということだと思います。
よく宇宙業界では、プラネタリウム運営者の競合は、他のプラネタリウム運営者ではなく、映画やアミューズメントパークなどのエンタメ施設である、といわれます。
例えば「東京で2人でゆっくりデートできる場所を探したい」というジョブを想像してみると分かりやすいです。
複数のプラネタリウムを比較検討しようという人はほとんどおらず、東京にあって2人で行きやすい様々なお出かけスポットを検討することになります。その中でプラネタリウムの他に映画館や水族館やアミューズメントパークが競合として対立するんですね。
この視点は、新規事業創出においても意識しておくと良い観点かもしれません。ジョブ理論から、自分の事業アイデアの「思わぬ競合」は何か、を常に意識しておきたいですね。
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