概要
タイトルからすると、
「事業を立ち上げるのに一人では限界があるから、周りを巻き込んでチームを作っていくにはどうやって人を説得すれば良いか」
みたいな心理学的なことが書かれているのかなと予想していたのですが、まったく違いました。
PART1は「ピッチをつくる」。主にピッチ資料の作り方について書かれており、
- ストーリー
- デザイン
- フォント
などについて記載されていました。
PART2は「支援を得る」。スタートアップの資金調達法について記載されています。
この2部構成で本書はできています。
ピッチとはコミュニケーション
冒頭、ピッチ資料について
ピッチ資料というのは、スタートアップのストーリーとビジネスモデルを言葉と画像を結集して説明する資料
と説明されています。また、ピッチ資料の機能として
- 人に理解させる
- 人に関心を持たせる
- 人に行動を取らせる
という3点が挙げられるといいます。
これを読んで、これまで「プレゼン」を何度となく行っていたのですが、聞いてもらう人に「行動を取らせる」ためのプレゼンテーションが出来ていただろうか?と自問自答しました。
どこか「分かりやすく説明する」というところまでを目標としてた気がして自戒したのです。
後半にもある通り、ピッチとはコミュニケーションなんですね。
人とコミュニケーションを取るとき、その先の人の行動があってこそ、コミュニケーションをとることに意義がありそうです。
チームを紹介する
ピッチ資料の構成要素として
- 機会
- 問題
- 解決策
- 競合
など10枚のテーマがあるのですが、その中でも自分のピッチ資料の中に入れてないなと感じたのが、チーム(Team)でした。
「自分のチームにはどんな人がいて、どんなスキルと思いを持っているのか?」
あまり深く考えたことはありませんでした。改めてチームと人を見直し、スライドに落とす作業を早速やってみようと感じました。
具体的なデザインとストーリー
本書では、具体的にビジュアル化されたスライド例をもとにして、ピッチの作成例が示されています。
これを見ると、自分の考える事業についてどのようなスライドを作っていこうか、様々なインスピレーションが湧いてきます。
はじめはパラパラとなんとなく見ているだけでも良いでしょう。
もうひとつ重要だと考えたのが、ストーリーです。
ストーリーはまるで人生のようだから力を持つ
この一文には心を打たれました。
そう、ストーリーを語ることで、ピッチを送る相手に自分の人生と照らし合わせてもらい、心を動かす効果が生まれるんですね。要は、「自分事化(じぶんごとか)」してもらえるわけです。
ああ、俺もこういう想いを持っていたことがあったな。
そんなことを感じてもらえれば、ピッチは成功と言えるでしょう。
まとめ
本書には、ピッチを通じて人を巻き込む極意が、具体的な手段とともに秘められています。
本書を読めば、自分の事業のピッチを書き直したくてたまらなくなるでしょう。
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