こちらのブログでは、プロジェクトマネジメントとその国際的な知識体系であるPMBOKおよびその資格であるPMPについて、その概要を紹介しながら、営業職・マーケティング職・バックオフィスなどの非エンジニアがどのようにプロジェクトマネジメントと向き合っていけばよいのかを考えてみたいと思います。
プロジェクトとは?
そもそも「プロジェクト」とは何でしょうか?
あとで紹介するPMBOK(ピムボック)では、このように定義されています。
独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施される有期的な業務
アンダーラインを引いたところがポイントで、独自性と有期性がプロジェクトのキモになります。
言い方を変えると、独自性と有期性がある活動は総じてプロジェクトと言えるわけです。
プロジェクトマネジメントとは?
では、プロジェクトマネジメントとは何でしょうか?
同じくPMBOKから引用すると
プロダクト要求事項を満たすために、知識、スキル、ツールと技法をプロジェクト活動へ適用すること
プロジェクトマネジメントとは、意図した成果を上げるためにプロジェクトの作業を導くこと
とあります。
よくマネジメントは日本語で「管理」と訳されることがありますが、どちらかというと「経営」や「運営」といった意味合いに近く、「やりくりすること」というイメージでとらえておくと良いでしょう。
PMBOKとは?
では具体的にどのようにプロジェクトマネジメントを進めていけばよいのでしょうか?
そのよりどころとなるのがPMBOKです。
PMBOKはProject Management Body Of Knowledgeの略称で、プロジェクトマネジメントに関する知識体系です。プロジェクトマネジメントの普及拡大を目的とした国際的な非営利団体であるPMIにより作られており、プロジェクトマネジメントの世界標準と言えるでしょう。
プロジェクトマネジメントを体系的に学びたい!と思ったら、まずは初手としてPMBOKにあたってみるのが良いでしょう。
PMPとは?
PMBOKを作っているのは、プロジェクトマネジメントの普及拡大を目的とした国際的な非営利団体であるPMI(Project Management Institute)なのですが、このPMIが認定しているプロジェクトマネジメントに関する国際資格がPMP(Project Management Professional)です。
PMIの日本支部によれば、
PMP試験は、受験者のプロジェクトマネジメントに関する経験、教育、知識を測り、プロフェッショナルとしての確認を目的として実施されます。
とあります。
プロジェクトマネジメントに関する資格のデファクト・スタンダードとして広く認知されています。
情報処理技術者試験「プロジェクトマネージャ試験」とは?
日本のIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が行っているのが「プロジェクトマネージャ試験」です。こちらはPMPと並んでプロジェクトマネジメントにおける人気の資格試験になっています。
IPAによれば、プロジェクトマネージャ試験の対象者像は
高度IT人材として確立した専門分野をもち、組織の戦略の実現に寄与することを目的とするシステム開発プロジェクトにおいて、プロジェクトの目的の実現に向けて責任をもってプロジェクトマネジメント業務を単独で又はチームの一員として担う者
とあります。
IPAは情報処理に関する資格試験を統括していますのでIT人材を中心に語られていますが、このスキルは広く様々な分野においても必要になるものです。
非エンジニアがプロジェクトマネジメントを学ぶためには?
では、営業職・マーケティング職・バックオフィス(人事・法務・総務など)の方がどのようにプロジェクトマネジメントと向き合っていけばよいのでしょうか。
まず、どのような職種でも独自性と有期性のあるプロジェクトをこなすことが増えてきています。独自性や有期性のないルーティンワークはこれからどんどんシステムやAIに取って変わられていくでしょうから、人間としてやるべき仕事の多くはプロジェクト仕事になっていくでしょう。
つまりプロジェクトマネジメントはこれからの業務において必須スキルとなることを理解しておきましょう。なお、プロジェクトマネージャだけがプロジェクトマネジメントを知っておけばいいというものではなく、メンバーとして業務を行う場合も知っておいて損はありません。
ではどのようにプロジェクトマネジメントを学んでいけばよいのでしょうか?
私のオススメの学習方法は以下の通りです。
- PMPやプロジェクトマネージャ試験の書籍を読んで体系的な知識を身に付ける
- 業務における実際のプロジェクトで実践してみる
- 実践して気付きや学びを発表してみる
書籍を読む
まずは書籍を読んでみましょう。
なお「別に資格を取りたいわけではない」という方もいらっしゃるかもしれませんが、資格試験というのは体系的・網羅的に知識が整理されていますから、実は学習効率が高いです。
私がオススメのPMPの書籍はこちら。
プロジェクトマネージャ試験の書籍はこちら。
まずは一度通読してみてください。分からない単語や概念は飛ばしても良いですし、資格取得が目的でなければ問題に取り組まなくても良いでしょう。ざっと見てみて「こんな感じなんだな」とイメージすることが大事です。
実践してみる
前述のように、現代の業務はほぼ何かしらのプロジェクトですので、日々の業務でみなさんも何かしらのプロジェクトに関わっていると思います。
そこで、書籍で学んだことを基にして自分のプロジェクトに当てはめてみましょう。
例えば、PMP(PMBOK)では「勤勉で、敬意を払い、面倒見の良いスチュワードであること」という概念が書かれています。
これを自身のプロジェクト(例えばデータ分析プロジェクト)に当てはめると、目的や目標を見定めるとか、分析結果をねつ造しないとか、そういったことが当てはまるかと思います。
どのようなことでも構いませんので、なにかひとつでも自分のプロジェクトに取り入れてみると良いでしょう。
発表してみる
そして、どこかで何かを発表してみましょう。
ナレッジというものはインプットとアウトプットを繰り返すことによって身につきます。
発表と言っても大それたものでなくて構いません。例えば日々の打ち合わせで学びをチームメンバーに披露しても良いですし、会議で共有会の場を設けても良いでしょう。あるいは外部講演の場を頂けたならプロポーザルを提出してみても良いかもしれません。そのような場に積極的に出ていくことで自分の知識を再構築していきましょう。
発表するメリットは自身の知識の再構築だけではありません。
フィードバックを得られることも発表の大きなメリットです。
「それなら私も同じ経験したことある!」とか「そういったときはこんな考え方がオススメだよ!」とか、そういったちょっとした対話が生まれることで、新たな学びの第一歩に繋がるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
プロジェクトやプロジェクトマネジメントについて紹介し、非エンジニアの方のプロジェクトマネジメントの学び方を考えてみました。
非エンジニアの方はこれまでプロジェクトマネジメントを学ぶ機会があまりなかったかもしれません。
ですが、プロジェクトマネジメントの知識はこれからの時代誰もが知っておくべき内容です。
ぜひ勉強を始めてみてくださいね!
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